黄砂現象の詳説
単に砂塵が舞い上がると言っても、砂塵の粒の大きさによってその動きはまったく違うものになる。粒の直径が約1mm以上のものは回転運動(左図1)、1mm - 0.05mm(50μm)くらいのものは躍動運動、約0.05mm以下のものは浮遊運動をするといわれている。回転運動をする砂は発生地周辺のみに到達し、移動する砂丘を構成する。躍動運動をする砂は一時的に舞い上がって移動し、沙塵暴のほとんどを構成する。浮遊運動をする砂は風に乗って移動し、遠くまで到達する。
浮遊運動をする砂の運動を詳しく見ると、砂嵐によって巻き上げられた後、日中暖まった空気が上昇することによって起きる上昇気流に乗って、上空500m - 2km付近に上昇して移動する。発生地付近では、砂塵の濃度や粒子の大きさがバラバラで非常に複雑な分布であるが、離れるに従って高度1 - 2km付近に濃度が高い層ができる傾向にある。この付近の上空500m - 2kmより下の大気は大気境界層といい、空気の流れが複雑な層である。これより上には自由大気という層があり、一部の粒子がこの層にまで上昇してくると、安定した速い気流に乗って遠くまで運ばれる。ただ、低気圧が発達しながら移動するなどして、激しい風によって空気がかき混ぜられた場合は、日本上空で最大6 - 7km程度と、もっと高い高度にも高濃度の層ができて遠くまで運ばれることもある。また、昼に発生して大気境界層を浮遊している砂塵は、夜になって大気境界層と自由大気の境界が下がってきてもそのまま同じ高度にとどまるため、一部は自由大気に入って遠くまで運ばれることになる。
東アジアや中央アジアなどの広い範囲には偏西風が吹いている。しかし、地上付近では偏西風の影響が少ないため、気圧配置によって砂塵は東以外の方向にも流される。しかし、高度が高くなると偏西風の影響が強くなるため、上空高くに舞い上がった黄砂は東寄りに流される。これにより砂塵は発生地の東側の地域への到達が多い傾向にある。
落下
こういった過程を経て粒の大きな砂から落下していく。北京では粒子の直径がおよそ4 - 20μm、発生後3 - 4日経って到達する日本では4μm前後という調査結果がある。参考として、通常の黄砂の場合、舞い上げられた砂塵の3割が発生地に、2割が発生地の周辺地域に、5割が日韓や太平洋などの遠方に運ばれて落下・沈着すると言われている。
ただ、やはり影響力が大きいのはより近い発生地からの黄砂である。例えば、朝鮮半島で観測される黄砂は多くが西方の黄土高原・ゴビ砂漠などで発生したもので、タクラマカン砂漠で発生した黄砂であることは稀である。朝鮮半島とタクラマカン砂漠は5,000km以上離れており、長距離運搬される条件が整った時にしか砂塵は到達しない。
また、韓国に到達する黄砂の「発生から飛来までの経過日数」と「飛来時に黄砂が分布する平均高度」を調べた韓国気象庁の資料では、タクラマカン砂漠は経過日数4 - 8日・高度4 - 8km、中国北部の乾燥地帯は3 - 5日・1 - 5km、黄土高原は2 - 4日・1 - 4km、満州(中国東北部)は1 - 3日・1 - 3kmなどとなっている。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
黄砂現象の詳説について調べてみました。
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